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所長のメッセージ

所長のメッセージ  : 令和7年5月によせて

投稿日時:

鳥取産業保健総合支援センター 所長 黒沢 洋一

 

『新型やくも』

ゴールデンウイーク中の移動に車ではなく新型特急やくもを利用した。振り子電車の
特急やくもが苦手なのだが、昨年デビューした新型やくもの評判がよかったので利用す
ることになった。新型やくもに採用された最新技術の「車上型の制御付自然振り子方式」
により乗り心地が格段に向上したといわれる。以前の「自然振り子式」だと、カーブに
入って遠心力が働いてから揺れるため、揺れが遅れて生じ、急に大きく揺れる。また、
直線でも高速になると細かな揺れが生じやすいといわれる。最新の「車上型の制御付自
然振り子方式」では先頭車に搭載したジャイロセンサが走行位置を正確に把握し、曲線
の入口にあわせて車体を傾斜させるなど揺れを精密に制御しているという。

以前の特急やくもには車内販売があった。カニのお弁当、アルコール類やつまみなど
が売られて活況を呈していた。一方で、揺れの中、販売車を押しながらの販売員の移動
は見るからに大変そうだった。このような交通機関従事者の作業関連疾患として、全身
振動による障害が知られている。全身振動による障害では、短期的にはめまい、頭痛、
気分不快などの自律神経症状がみられるが、長期的には、腰痛などの筋骨格系障害、循
環器系、消化器系、泌尿器系の障害が問題となる。振り子電車の車内販売員の身体的負
担は産業保健分野の課題となっていたようで、特急やくもの車内販売員の健康調査が行
われていたと記憶している。そのやくも号の車内販売は2009年9月に廃止されたようだ。
乗客の減少等による売り上げの減少が主要因であろうが、販売員の負担も一要因であっ
たのだろう。

苦手とは言いながら、新幹線に接続する特急やくもはよく利用した。ただ、利用時は
体調を万全にしておく必要があった。車内では、水分以外の食べ物は摂取しないように
し、もちろん読書も控え、できるかぎり眠るようにしていた。特急やくも利用時のルー
ティーンである。このルーティーンをしないとたいてい気分が悪くなった。今回、行き
の新型やくもでは、大きな揺れをほとんど感じることはなかった。そこで、帰りの新型
やくも号では飲食を試してみた。おにぎり2個を食べたが、気分よく過ごせた。次は読書
を試してみようと思う。

 

 

 

 

 

 


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